認知症って何??
認知症とは、さまざまな原因で脳の働きが低下して、日常生活に支障をきたす状態です。
誰にでも起こる可能性のある脳の病気です。
認知症の症状と症状
認知症の種類
認知症には主に3つのタイプがあります。
- アルツハイマー型認知症(全体の約5割)
- 脳血管性認知症(全体の約2割)
- レビー小体型認知症(全体の約2割)
頭部外傷や腫瘍、甲状腺機能異常症、アルコール中毒、ビタミン欠乏などさまざまな原因も関係します。
認知症の症状
中核症状 認知症の中心となる症状です。
- 記憶障害:新しい体験や、知っているはずの記憶を思い出すことができない。
- 見当識障害:時間・日付・季節感・場所・人間関係などの把握が困難になる。
- 実行機能障害:料理や旅行など、計画や手順を考えて実行することが困難になる。
- 理解・判断力の障害:同時に2つ以上のことを行うことや、いつもと違う些細な変化への対応が困難になる。
周辺症状 不安やあせり、心身の不調、周囲の環境や対応の仕方などが影響して出現する症状
妄想・幻覚・攻撃的な言動・徘徊・無気力・便をいじるなど排泄の混乱
過食や異食など食行動の混乱 など
認知症と間違えやすい「うつ病」や「せん妄」
「うつ病」により生じる一時的な記憶力の低下や運動機能の低下が認知症の症状と間違えられることがあります。その他にも入院などで一時的に幻覚や妄想があらわれる「せん妄」も、認知症と混同されることがあります。
認知症による物忘れ
- 体験全体を忘れる
- 新しい出来事を記憶できない
- ヒントを与えられても思い出せない
- 時間・場所などの見当がつかない
- 日常生活に支障がでる
- 自覚がない
加齢による物忘れ
- 体験の一部を忘れる
- ヒントを与えられると思い出す
- 時間・場所などの見当がつく
- 日常生活に支障がない
- 自覚がある
かかわり方のポイント
認知症の症状が進行しても、感情やその人らしさは残っています。介護者が認知症の人の気持ちに寄り添って、不安や苦しみ、孤独感などを和らげる関わり方や環境づくりができれば、症状も軽減するといわれています。
- 「本人は何もわかっていない」は誤りです。
- 本人の「その人らしさ(個性)」を大切にしましょう。
- 「否定よりも肯定」の気持ちで接しましょう。
認知症の治療
認知症の中には治療によって改善するものがあります。また、早期に治療やケアをすることで、症状を和らげたり、薬によって進行を穏やかにすることもできます。
医療機関への受診や相談について
自分自身や、あるいは家族が「認知症かもしれない。」という不安はとても大きいものです。周囲がすすめても本人が受診を嫌がるといった場合もあると思います。まずは、相談しやすいかかりつけの医師に相談してみましょう。必要に応じて専門の医療機関を紹介してもらえます。
また、地域包括支援センター等の地域の相談窓口を訪れて、アドバイスを受けることも可能です。
→相談窓口
認知症の予防
認知症と生活習慣の関わり
運動不足・肥満・食塩の過剰摂取・飲酒・喫煙などの生活習慣は認知症の発症に大きく影響します。
高血圧症、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病の予防や治療が、認知症予防にも有効といわれています。
すぐに取り組める認知症予防
- 明るく考える
- 地域のイベントなどに参加する機会をもつ
- 人と人とのつながりを大切にする
- ニュースなど新しい情報に興味を持つ
- 生きがいをみつける(趣味やボランティアなど)
- テレビやラジオの視聴、新聞や雑誌を読んで関心ごとを増やす、書道や絵画など芸術を楽しむ、楽器やカラオケ、囲碁や将棋などゲームを楽しむ など
- 『もう年だから』と自ら考えるのではなく、知らない事への興味や好奇心が持てる。
- お互いの良さをほめあう事も大切
脳に刺激を与えてきたえる事も大切(楽しみながら刺激する)
- 「出来事記憶」をきたえる:日記など
- 「注意分割機能」をきたえる:目標の時間を決めてそれまでに仕事や計算などを行う など
- 「計画力」をきたえる:1週間の予定を立てて準備する など